木は生きているのか?
木材関係者の中でもあまり知られていない事ですが、生きている樹木でも、
樹幹の大部分は死んでいます。
生きているのは、形成層、内樹皮、それと辺材の柔細胞だけで、残りは
生理作用をしていません。
生きた樹木でさえこの状態ですから、木材になると、生きていた僅かの細胞も
全部死んでしまいます。
ところが、木材は、まるで、生きているかの様に水分を放出したり、吸収
したりする、それに伴って寸法変化(狂い)を起こします。
この現象を木材供給側も住宅実務者も【木は生きている】と呼んだりするのですが、
あまり関心出来る表現では有りません。
理由の1つは、この表現をトラブルの逃げ口上に使ってしまいがちの事
例えば、住宅の完成後に「パキパキ」木鳴りがする。
住まい手に理由を聞かれた際に「ああ、木は生きていますから」と、うやむや
にしてしまう、説明責任が、重視される現代において、これは極めて不十分な
対応であるとしか、言いようが有りません。
少なくても、木材の膨潤収縮と水分の関係を科学的に説明した上で
【乾燥に寄って発性した応力を開放しようと、パキパキ音がするだけです。
いずれ止まりますから、安心して下さい】とでも、言うべきでしょう。
★感心しない、2番目の理由は、この表現が、非論理的な説明に発展しがちな事。
【塗料を塗ったら、息が出来なくなって、木が死んでしまう】
【接着剤は、化学物質だから、木を殺してしまう。
【人工乾燥させると、繊維が熱で死んでしまう】★等と言った情緒的な表現は、ユーザーの失笑を買う可能性があります。
◆皆さんも心当たり有りませんか?私も実は、そうでした@@@日経ホームビルダー~抜粋