●今日は1月31日。
正月最後のこの日を「みそか正月」と呼ぶ地方があるそうです。
松の内に年始回りをしなかった家を訪ねたり、そばやだんごを食べたりする習わしが
残っているところもあるのだとか。立春以降は春で、季節の上でも新しい四季
1年の始まりですから、ここで正月を締めておこうという気持ちなんでしょうか。
日本人の季節感を巧みに取り入れた暮らし方、大切にしたいですね。
●ところで、室内の手摺についてですが、、
★この手すり、何が良くないのか分かりますか?
手すりは、安全にトイレを使うために有効な役割を果たす。
ただし、取り付け方を間違えると使いにくいばかりか、狭い室内での動きの邪魔にもなってしまう。
次のイラストをご覧いただきたい。
●これは良くない手すりの例だが、何が良くないのか、お分かりだろうか。
★ 答えの前に、TOTO・UD推進本部の金子祐子さんから聞いた、
手すりの重要性を物語るエピソードを一つご紹介する。
●ある住宅で、トイレタンクの上に出ている金属製の蛇口が折れた。
体に障害を負ったご主人が、手を洗おうとする際にバランスを保つため
蛇口部分をつかむ。
その重さに蛇口が耐えきれなかったのだ。
高齢者など、動きが不自由な人は周囲にあるものを何でも手がかりにしようとする。
しかし、弱く不安定なものにすがった状態はむしろ危険だ。手すりや支えになる棚などを用意し、
しっかり体を支えられるようにしておかなければならない。
この住宅では、必要な位置に手すりを設け、ご主人の動きに
対応させるようにしたという。
☆ さて、冒頭の答えは、L字形の手すりの向きだ。
このように便器に座った人に対し、下側の横バーが縦ポールの向こう側に延びるよう
設置した例をしばしば見かける。
しかしこれは逆向き。
正しい横バーの位置は、便器の横に延びるようにしなければならない。
●なぜか。 、、
便器まわりの手すりは大きく2つの役割をもつ。
人が立ち座りする際の手がかりとなることと、便器に座っている時に体を安定させることだ。
前者では主に縦ポール部分が機能し、後者では主に横バーが使われる。
横バーは、便器の横に設置しないと用をなさない。
●手すりの意味を理解すれば、こうした初歩的な間違いを犯さずに済む。
もちろん、向きと同時に設置場所も大切だ。TOTOの場合、L形手すりを設置する際の標準寸法を、
縦ポールは便器の先端から250mm程度、横バーは床面から650mm程度としている。
日経ホームビルダー掲載より!!